からふる

コラムタイトル

街歩き(景観と色彩)

山懐に抱かれた永平寺

杉木立の奥に佇む唐門

山懐に抱かれた永平寺    ~福井県吉田郡永平寺町~

年も押し迫る12月24日、福井県高等学校教育研究会美術部会主催の研修会に講師としてお招きいただいた。翌日は雪の薄化粧を施された一乗谷、それとも永平寺と思いを巡らせながら…。
期待に反して?この時季には珍しく、雪がないどころか、時雨ることもない晴天に恵まれた。福井駅から特急バスで30分。終点に降り立つと蕎麦屋とごま豆腐の看板が目に飛び込んできた。
土産物屋や食事処が並ぶ通りを避け、宿坊が並ぶ永平寺川沿いのよく整備された参道を歩くこと数分。杉木立に包まれた唐門が正面に見えてきた。早速カメラを取り出し、ワンショット。真横から射す光が杉木立の深い陰翳をつくり、その奥に佇む唐門の秀麗さを浮き立たせている。
傾斜地に建つため伽藍は長い階段廊下で繋がれている。そのため、明かりを採る窓は平行四辺形(前回訪れた折には見過ごしていた)である。はめられている硝子はやや波を打った透明感の高いもので、今は生産されていない円筒法によるものと推察された。硝子の1枚に至るまで大事に使用されてきたことが伺える。雪に備え、ところどころ、透明の波板で覆われているのは残念だが、雪害対策としてはやむを得ぬことだろう。
昼飯にはまだ早いと、道元禅師の「稚髪像」が建つ寂光苑に脚を伸ばすと、途中に「愛宕観音堂15分」の立札が目に留まった。折角だからと山道にとりつく。滑りやすいのと冬とは思えぬ気温の上昇で、汗だくになり、15分は疾うに過ぎて看板に騙されたと愚痴が出そうになるころ、眼下に永平寺の伽藍が…。文字通り山懐に抱かれた永平寺を目の当りにし、その佇まいに心打たれた。(pdfも是非ご覧ください)

山懐に抱かれた永平寺.pdf

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色も色いろ

通常の光源下での見え(左)と照射光側からの見え(右)

再帰反射の原理を示す模式図(左)と鈴表面のマイクロスコープ画像(右)

色も色いろ 第75話 発光してるように見える再帰反射

もう何年か前だが、店先にならんがキーホルダーが、ブリキ製なのにビー玉のような不思議な見え方をするのに目が留まった。売り子さんに聞いても"綺麗でしょ"と答えるだけで、「如何して」の質問には"???"。とりあえず、色違いを2個ほど購入して、色々の角度から光を当てて観察すると、観察方向から光を当てるとそのもの自体がまるで発光しているように見える。(左図参照)
マイクロスコープで鈴の表面を拡大すると左の右下図のように真球ビーズが表面にきれいに並んでいるのが観察できた。
当時、仕事でケータイの意匠提案に取り組んでいた頃だったので、応用ができるかも知れないと、NETで検索すると、それらしきものにヒットした。それが再帰反射ビーズだ。早速、原料メーカーよりサンプルを取り寄せ、少しカラーイングしたクリヤー塗料に入れて、塗装してみたが、上手くいかない。薄くクリヤーを塗り、乾かないうちにビーズを均一にまぶし、上から再度少しカラーイングしたクリヤーで押さえると、ほぼ再現できた。
再帰反射という言葉は馴染みがないかもしれないが、実は道路資材として用途は広く、道路の白線はじめ、標識などにも使用されている。また道路工事作業員や交通整理をする警察官、ガードマンの夜間着用のベストにも多く使われている。夜間に走るランナーや散歩する人達がテープ状のものも巻きつけているのも見かけ、意識するしないにかかわらず、夜間に車を運転する人は見ていることでしょう。
最近は反射効率の良いプリズム型が多くなっており、真球上の再帰反射ビーズは簡易テープや装飾以外では減ってきているようだ。
再帰反射シートはホームセンターなどでも手軽に手に入るので、アルミの蒸着シートなどと比べてみるとその違いがよく分かるだろう。余ったら、自転車の後部や靴のかかとなどに貼っておけば、多少は夜間通行時の安全に役立つのでは。

第75話 発光してるように見える再帰反射.pdf

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山歩(さんぽ)



献石並ぶ参道に満開のモチツツジ

山歩№100石上げ祭で知られる尾張富士 ~愛知県犬山市富士山~

尾張の奇祭石上げ祭で知られる尾張富士。毎年新年早々に訪れる尾張三山の一つである。
正式には尾張富士大宮浅間神社で、「天孫降臨」に登場する邇邇芸命(ニニギノミコト)が地上で初めて見染めた木花之佐久夜毘売(コノハナノサクヤビメ)を祭神とする。古事記では自分の子かと疑う邇邇芸に、産屋の戸を堅く閉め、それに火をつけ、焔が燃えさかる中で3人の御子を安産して、証を立てた烈女として描かれている。
石上げ神事は、尾張富士に参篭祈願した信者の夢枕に木花之佐久夜毘売が現れ、隣の本宮山より低いことを嘆いたことからという。今も8月の炎天下に行われている。
山頂に通じる参道の両脇には献石と彫られた巨石が並ぶ。その脇に、モチツツジが枝一杯に花を付けていた。
晴天に恵まれれば、雪を頂いた山々も望める。
2020年1月15日掲載(2020年1月3日撮影)

№100石上げ祭で知られる尾張富士.pdf

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