からふる

コラムタイトル

街歩き(景観と色彩)

狭い道の両側に妻入りの商家が並ぶ

刻み囲い等の雨風を防ぐ工夫を凝らした建屋

伊勢の台所 河崎商人町    ~三重県伊勢市河崎町~

河崎は、伊勢市の中心を流れる全長7キロ余りの勢田川の中流域両側に広がる町である。勢田川の水運を生かした問屋街として知られ、特に江戸時代からは伊勢神宮の参宮客への物資を供給する「伊勢の台所」として栄えた。当時は蔵や町家が川の両岸に建ち並び、直接船から物資を蔵に入れることができるようになっていた(伊勢河崎商人館HPより)。そんな歴史に取り残されたかのような街に出会った。
切妻の町家が曲がりくねった道に沿って妻入りで並ぶ。神宮の正殿が平入り作りのため同じ構造では畏れ多いと妻入りの家が多いと言う説もあるようだが、出来るだけ多くの建物を道や川に面して建てたいといった配慮や雨の多い地ならではかもしれない。
蔵や町家の刻み囲いの外観、特にこの地独特の張り出し南張り囲いには、重厚感が漂う。これは、風雨への備えで、土壁に漆喰を塗った上に、「刻み囲い」と呼ばれる下見板張りを施し、さらに屋根と壁の隙間からの吹込みを防ぐ目的で付けられた「張り出し南張り囲い」という2階部の張り出し構造が目を引く。思えば、おはらい町の赤福本店も同じ構造だ。嘗ては、「濡れガラス」と呼ばれる魚の油と煤(すす)を混ぜた塗料で塗装したという。エイジングした黒塗りの壁が街の情緒を一層味わい深くしている。
屋根も「むくり」や「反り」「すぐ」が混在していており、立派な鬼瓦とともに切妻の両端には、河崎独特の隅蓋(右下写真の左上部)と呼ばれる飾り瓦が見られる。これも水が建物に入り込むのを防ぐ蓋の役割を持つもので、風雨への備えがいかに重要だったかを物語る。同時に、波や蛙、亀など水に関するものを象ったものが多いことから、火災から屋敷を守る願いも込められているのだろう。(pdfも是非ご覧ください)

伊勢の台所 河崎商人町.pdf

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色も色いろ

通常の光源下での見え(左)と照射光側からの見え(右)

再帰反射の原理を示す模式図(左)と鈴表面のマイクロスコープ画像(右)

色も色いろ 第75話 発光してるように見える再帰反射

もう何年か前だが、店先にならんがキーホルダーが、ブリキ製なのにビー玉のような不思議な見え方をするのに目が留まった。売り子さんに聞いても"綺麗でしょ"と答えるだけで、「如何して」の質問には"???"。とりあえず、色違いを2個ほど購入して、色々の角度から光を当てて観察すると、観察方向から光を当てるとそのもの自体がまるで発光しているように見える。(左図参照)
マイクロスコープで鈴の表面を拡大すると左の右下図のように真球ビーズが表面にきれいに並んでいるのが観察できた。
当時、仕事でケータイの意匠提案に取り組んでいた頃だったので、応用ができるかも知れないと、NETで検索すると、それらしきものにヒットした。それが再帰反射ビーズだ。早速、原料メーカーよりサンプルを取り寄せ、少しカラーイングしたクリヤー塗料に入れて、塗装してみたが、上手くいかない。薄くクリヤーを塗り、乾かないうちにビーズを均一にまぶし、上から再度少しカラーイングしたクリヤーで押さえると、ほぼ再現できた。
再帰反射という言葉は馴染みがないかもしれないが、実は道路資材として用途は広く、道路の白線はじめ、標識などにも使用されている。また道路工事作業員や交通整理をする警察官、ガードマンの夜間着用のベストにも多く使われている。夜間に走るランナーや散歩する人達がテープ状のものも巻きつけているのも見かけ、意識するしないにかかわらず、夜間に車を運転する人は見ていることでしょう。
最近は反射効率の良いプリズム型が多くなっており、真球上の再帰反射ビーズは簡易テープや装飾以外では減ってきているようだ。
再帰反射シートはホームセンターなどでも手軽に手に入るので、アルミの蒸着シートなどと比べてみるとその違いがよく分かるだろう。余ったら、自転車の後部や靴のかかとなどに貼っておけば、多少は夜間通行時の安全に役立つのでは。

第75話 発光してるように見える再帰反射.pdf

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山歩(さんぽ)



秋色に映える段戸湖

山歩№81 愛知に残る数少ない原生林 ~愛知県北設楽郡設楽町段戸裏谷原生林~

愛知県に残る数少ない原生林、段戸裏谷原生林を訪れた。
前々から一度は訪れたいと思いつつ、駐車スペースが少なく、新緑と紅葉季の週末は余程早起きしないと…という懸念があって、機会を逸してきた。
原生林の入り口段戸湖に着くと湖面に映る鮮やかな紅葉が迎えてくれる。朝早い釣り人が湖面に半身をのぞかせ、竿を静かに振る。まさに絵画のような風景が目の前に。細波が立ち、湖面に逆さ紅葉が映り込まないのがやや残念だが、湖面に滲んだように拡がる色もまた格別だ。
林道から階段状の尾根道にとりつくと、ブナやミズナラの巨木が出迎え、その間を黄から赤のグラデーション。地面を覆う杉苔の緑に映える落葉。鳥たちの澄んださえずり。
そんな中、青々とした低木が茂る一画に。ミヤマシキミの群落だ。真っ赤な実が輝いていた。2018年11月3日掲載(2018年11月1日撮影)

№81 愛知に残る数少ない原生林.pdf

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